気になる金利住宅ローンシミュレーター
記事一覧

繰上げ返済の落とし穴:場合によっては毎月の返済額が増えることも

繰上げ返済は、住宅ローンの利息を減らす代表的な方法です。でも、変動金利で金利が上がっている最中にするときは、思わぬ落とし穴があります。返済額を減らすつもりで繰上げ返済したのに、毎月の返済額がかえって増えることがあるのです。どんなときに起きるのかを、借入額5,000万円・35年の例で試算します。

2種類の繰上げ返済

  • 期間短縮型:毎月の返済額はそのままで、返済期間を短くする
  • 返済額軽減型:返済期間はそのままで、毎月の返済額を下げる

毎月の負担を軽くしたいときは、返済額軽減型を選ぶのが普通です。

落とし穴:返済額軽減型で、毎月の返済が増える

変動金利の5年ルールでは、金利が上がっても、毎月の返済額は5年ごとの見直しまで据え置かれます。その据え置きの最中に返済額軽減型の繰上げ返済をすると、残りの元金とその時点の金利で返済額が計算し直されます。

金利が上がっていれば、元金が減ったぶんより、金利が上がったぶんの影響のほうが大きく、返済額が上がってしまうことがあるのです。

借入れから3年後(2029年4月)に、100万円を返済額軽減型で繰上げ返済した場合の、毎月の返済額の推移です。

時期そのときの金利毎月の返済前の返済額との差
借入当初1.2%¥145,851—
2029年5月2.2%¥168,742+¥22,891

借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。金利が1年後に1.2%から2.2%へ上がり、借入れから3年後に100万円を返済額軽減型で繰上げ返済した場合。

繰上げ返済の翌月から、毎月の返済額は ¥22,891 増えました。繰上げ返済をしなければ、返済額が上がるのは 2031年1月 の見直しのときでした。

時期そのときの金利毎月の返済前の返済額との差
借入当初1.2%¥145,851—
2031年1月2.2%¥174,416+¥28,565

上と同じ条件で、繰上げ返済をしなかった場合。

つまり、繰上げ返済によって、本来なら1年半以上先だった返済額の引き上げが、前倒しで来てしまったことになります。

期間短縮型なら、返済額は据え置かれたまま

同じ100万円を期間短縮型で繰上げ返済した場合と比べます。

当初の毎月の返済毎月の返済(最大)総返済額総返済額の差
繰上げ返済なし¥145,851¥174,4162031年1月〜7,162.7万円—
返済額軽減型 100万円¥145,851¥168,7422029年5月〜7,102.5万円−60.2万円
期間短縮型 100万円¥145,851¥170,5012031年1月〜7,120.5万円−42.1万円

借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。金利が1年後に1.2%から2.2%へ上がり、借入れから3年後に100万円を繰上げ返済した場合。

期間短縮型なら、毎月の返済額は次の5年ごとの見直しまで変わりません。総返済額で見ても、どちらの型も繰上げ返済しない場合より少なくなります。返済額軽減型が悪いわけではなく、「いつ」するかで毎月の返済への影響が変わるということです。

落とし穴を避けるには

  • 金利が上がったあとで、次の見直しの前なら、期間短縮型を考える:返済額は据え置かれたまま、利息を減らせます。
  • 返済額軽減型にしたいなら、見直しの直後に合わせる:見直しで返済額が上がった直後なら、繰上げ返済で返済額を下げる効果がそのまま出ます。
  • 手続きの前に、繰上げ返済後の返済額を確認する:金融機関の手続き画面や窓口で、繰上げ返済後の毎月の返済額を試算できることが多いので、確かめてから決めましょう。取り扱いは金融機関によって異なります。

自分の条件で確かめるには

シミュレーターでは、繰上げ返済の時期・金額・種類を入れると、返済スケジュールで毎月の返済額がいつ・どう変わるかを確かめられます。金利シナリオと組み合わせて、繰上げ返済のタイミングを試してみてください。

記事の数字は一例です。ご自身の借入額・期間・金利の推移で試算してみてください。

試算結果は入力した条件にもとづく目安です。実際の返済額は、借入先の契約内容や端数処理などによって異なる場合があります。詳しくは免責事項をご覧ください。