5年ルール、間違って理解してない?金利は半年ごとに変わり、返済額は「借入れから5年ごと」に変わる
変動金利の住宅ローンには「5年ルール」があります。そのため、「金利が上がっても5年間は大丈夫」「金利が上がったら、5年後に返済額が上がる」と思っている人は少なくありません。でも、この2つはどちらも誤解です。誤解したままだと、返済額が思ったより早く上がったり、知らないうちに元金が減らなくなっていたりします。この記事では、5年ルールで本当に起きることを試算で確かめます。
誤解1:「5年ルールがあるから、金利は5年間変わらない」
5年ルールで5年間変わらないのは、毎月の返済額です。適用される金利は、5年を待たずに変わります。
変動金利は、多くの商品で年2回(例えば4月と10月)に見直され、数か月後の返済(例えば7月や翌年1月の返済)から新しい金利が適用されます。金利が上がれば、その時点から利息は上がった金利で計算されます。
返済額が変わらないのに金利が上がると、どうなるのでしょうか。2030年7月から金利が0.8%から1.3%に上がった場合の、毎月の返済の中身です。
| 返済月 | 適用金利 | 毎月の返済 | うち利息 | うち元金 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 0.8% | ¥136,530 | ¥33,333 | ¥103,197 |
| 2030年6月 | 0.8% | ¥136,530 | ¥29,837 | ¥106,693 |
| 2030年7月 | 1.3% | ¥136,530 | ¥48,369 | ¥88,161 |
| 2030年12月 | 1.3% | ¥136,530 | ¥47,890 | ¥88,640 |
| 2031年1月 | 1.3% | ¥147,061 | ¥47,794 | ¥99,267 |
借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。5年ルール・125%ルールあり。
金利が上がった2030年7月から、返済額は ¥136,530 のまま、利息の部分が増え、そのぶん元金の部分が減っています。払っている金額は同じでも、借金の減り方は遅くなっているのです。
金利が大きく上がると、返済額の全部を利息に回しても足りなくなり、払いきれない利息(未払利息)が出ることもあります(未払利息の記事を参照)。
誤解2:「金利が上がったら、5年後に返済額が上がる」
返済額の見直しは、金利が上がった時点から5年後ではありません。借入れの時期を起点とした「5年ごとの節目」に行われます。
そのため、金利が上がってから返済額が上がるまでの期間は、金利が上がった時期によって大きく変わります。
| 金利が上がった月 | 返済額が上がる月 | 金利が上がってから |
|---|---|---|
| 2027年7月 | 2031年1月 | 3年6か月後 |
| 2029年7月 | 2031年1月 | 1年6か月後 |
| 2030年7月 | 2031年1月 | 6か月後 |
| 2031年7月 | 2036年1月 | 4年6か月後 |
| 2034年7月 | 2036年1月 | 1年6か月後 |
| 2035年7月 | 2036年1月 | 6か月後 |
2026年4月借入れ・元利均等返済で、金利が表の月に0.5%上がった場合(5年ルール・125%ルールあり)。返済額の見直しは、借入日の翌日以降5回目の10月1日を基準日とし、その直後の1月の返済から新しい返済額になる契約の例で計算しています。
この例では、2030年7月に金利が上がると、わずか半年後の2031年1月に返済額が上がります。一方、2031年7月に上がると、次の見直しは2036年1月で、4年半ほど返済額は変わりません。
「金利が上がってから5年は返済額が変わらない」と思っていると、見直しの直前に金利が上がったときに、すぐに返済額が上がって慌てることになります。
見直しで返済額はどれだけ上がる?
見直しのときには、その時点の残高・金利・残りの期間で返済額が計算し直されます。ただし125%ルールにより、上がる場合でも直前の返済額の1.25倍までに抑えられます。
| 時期 | そのときの金利 | 毎月の返済 | 前の返済額との差 |
|---|---|---|---|
| 借入当初 | 0.8% | ¥136,530 | — |
| 2031年1月 | 1.3% | ¥147,061 | +¥10,531 |
借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。毎月の返済額が変わる時点だけを並べています。
この例では、返済額は ¥10,531 上がります。
自分のローンで確かめておきたいこと
- 次の返済額の見直しはいつか:借入れの時期と契約内容で決まります。返済予定表や契約書で確認しておきましょう。
- いまの適用金利と、利息の割合:金利の変更のお知らせや返済予定表で、毎月の返済のうち利息がいくらかを見ると、元金の減り方が分かります。
- 見直し後の返済額:金利が上がったら、次の見直しでの返済額を試算しておくと、家計の準備ができます。
自分の条件で確かめるには
シミュレーターで借入れの年月と金利シナリオを入れると、返済額がいつ・いくらに変わるかを返済スケジュールで確認できます。グラフでは、利息と元金の内訳の変化も見られます。
試算結果は入力した条件にもとづく目安です。実際の返済額は、借入先の契約内容や端数処理などによって異なる場合があります。詳しくは免責事項をご覧ください。