ちょっとでも安い金利への借り換えはお得?金利差0.1%〜0.5%で諸費用込みの損得を試算
今より少しでも金利の低い住宅ローンがあると、借り換えたくなるものです。でも借り換えには、事務手数料や登記費用などのまとまった諸費用がかかります。金利が0.1%や0.2%下がるだけでも、借り換えは得になるのか。諸費用を差し引いた損得を試算します。
借り換えの損得は「利息の減少 − 諸費用」
借り換えで得をするかどうかは、次の差で決まります。
- 利息の減少:低い金利で借り直すことで、これから払う利息がどれだけ減るか
- 諸費用:事務手数料、抵当権の抹消・設定の登記費用、印紙税など
金利差が小さいと、利息の減少が諸費用に届かず、借り換えるとかえって損になります。
5,000万円を借りて5年後に借り換える場合
金利1.0%で5,000万円・35年を借りて、5年後(残高 4,388.2万円)に借り換える場合です。
| 金利差 | 借り換え後の金利 | 毎月の返済 | 利息の減少 | 諸費用 | 差し引きの損得 |
|---|---|---|---|---|---|
| −0.1% | 0.9% | ¥139,136(−¥2,007) | 72.2万円 | 126.5万円 | −54.3万円 |
| −0.2% | 0.8% | ¥137,148(−¥3,995) | 143.8万円 | 126.5万円 | +17.3万円 |
| −0.3% | 0.7% | ¥135,177(−¥5,966) | 214.8万円 | 126.5万円 | +88.2万円 |
| −0.5% | 0.5% | ¥131,291(−¥9,852) | 354.7万円 | 126.5万円 | +228.1万円 |
借入額5,000万円・35年・元利均等返済、金利1.0%で2026年4月に借入れ。5年後(残高4,388.2万円・残り30年)に同じ残りの期間で借り換えた場合。諸費用は例として、事務手数料を残高の2.2%、登記などの費用を30万円としています。金利はどちらも変わらないものとしています。
金利差0.1%では、利息は 72.2万円 減るものの、諸費用 126.5万円 に届かず、差し引き −54.3万円 と損になります。金利差0.3%なら差し引き +88.2万円 の得です。
この条件で元が取れるのは、金利差が 0.18% 以上のときです。残高が大きく、残りの期間も長いので、わずかな金利差でも得になります。
元が取れる金利差は「残高」と「残りの期間」で決まる
残高と残りの期間を変えて、諸費用を差し引いても得になる金利差を求めました。
| 残高 | 残り10年 | 残り20年 | 残り30年 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 1.0%下がっても届かない | 0.5%以上 | 0.32%以上 |
| 2,000万円 | 0.72%以上 | 0.35%以上 | 0.23%以上 |
| 3,000万円 | 0.63%以上 | 0.31%以上 | 0.2%以上 |
| 4,000万円 | 0.58%以上 | 0.28%以上 | 0.18%以上 |
| 5,000万円 | 0.55%以上 | 0.27%以上 | 0.18%以上 |
いまの金利1.0%・元利均等返済のローンを、同じ残りの期間で借り換えた場合に、諸費用(例として事務手数料を残高の2.2%、登記などの費用を30万円)を差し引いても得になる金利差。
- 残高が大きく、残りの期間が長いほど、小さな金利差でも得になる
- 残高が小さく、残りの期間が短いと、金利差が大きくても元が取れないことがある
借り換えの目安として、昔から「金利差1%以上・残高1,000万円以上・残りの期間10年以上」とよく言われます。この試算でも、残高1,000万円・残り10年では、金利差が1%近くあっても元が取れない計算です。一方で、残高や残りの期間が大きければ、0.2〜0.3%の差でも十分に得になります。目安は一律ではなく、自分の残高と残りの期間で考えることが大切です。
金利以外にも確かめたいこと
- 諸費用の中身:事務手数料が「残高の◯%」の定率型か、定額の手数料と保証料の組み合わせかで、総額が大きく変わります。見積もりを取って比べましょう。
- 団体信用生命保険:借り換え先の保障内容(がん保障などの特約の有無)や、健康状態による加入の可否も確認が必要です。
- 審査と手間:借り換えにも審査があり、書類の準備や手続きに時間がかかります。
- 住宅ローン控除:借り換え後も一定の条件で控除を受け続けられますが、対象となる残高などに条件があります。詳しくは国税庁の情報や税務署で確認してください。
自分の条件で確かめるには
この記事の金利シナリオ(5年後に0.3%下がる)をシミュレーターに当てはめると、借り換えで毎月の返済と総返済額がどう変わるかを確かめられます。シナリオには諸費用が含まれないので、見積もりの諸費用を差し引いて考えてください。
試算結果は入力した条件にもとづく目安です。実際の返済額は、借入先の契約内容や端数処理などによって異なる場合があります。詳しくは免責事項をご覧ください。