未払利息とは?金利が急上昇したときに住宅ローンで起きることを試算で確認
変動金利の住宅ローンには「未払利息」という、あまり知られていない仕組みがあります。普段は気にする必要がありませんが、金利が短い期間に大きく上がると発生することがあります。この記事では、変動金利が3年で4.5%まで急上昇する厳しいシナリオを使って、未払利息がいつ・どれだけ発生するのかを試算します。
未払利息とは
多くの変動金利型の住宅ローンには、次の2つのルールがあります。
- 5年ルール:金利が変わっても、毎月の返済額は5年ごとにしか見直さない
- 125%ルール:見直しで返済額が上がる場合でも、それまでの1.25倍までに抑える
毎月の返済額は「利息」と「元金」に分かれています。金利が上がると利息の部分が増え、元金の部分が減っていきます。金利が大きく上がると、据え置かれた返済額ではその月の利息すら払いきれなくなります。この払いきれなかった利息が「未払利息」で、帳消しになるわけではなく、翌月以降に繰り越されます。
いつ・どれだけ発生する?
このシナリオでは、金利が4.5%になった 2029年4月 から未払利息が発生し始め、最大で 148.4万円 まで積み上がります。
| 当初の毎月の返済 | 毎月の返済(最大) | 未払利息の最大 | 総返済額 | 総返済額の差 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 金利が据え置きの場合 | ¥136,530 | ¥136,530 | なし | 5,734.3万円 | — |
| 3年で4.5%まで急上昇 | ¥136,530 | ¥314,3752046年1月〜 | 148.4万円 | 10,435.2万円 | +4,700.9万円 |
| 同じ(ルールなし) | ¥136,530 | ¥230,8342029年4月〜 | なし | 9,463.3万円 | +3,729万円 |
借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。
毎月の返済額は125%ずつしか上がらない
5年ごとの見直しでも、返済額は125%ルールで1.25倍までしか上げられません。本来必要な返済額に追いつくまで、見直しのたびに上限いっぱいまで上がっていきます。
| 時期 | そのときの金利 | 毎月の返済 | 前の返済額との差 |
|---|---|---|---|
| 借入当初 | 0.8% | ¥136,530 | — |
| 2031年1月 | 4.5% | ¥170,663 | +¥34,133 |
| 2036年1月 | 4.5% | ¥213,329 | +¥42,666 |
| 2041年1月 | 4.5% | ¥266,661 | +¥53,332 |
| 2046年1月 | 4.5% | ¥314,375 | +¥47,714 |
借入額5,000万円・35年・元利均等返済、2026年4月借入れ。毎月の返済額が変わる時点だけを並べています。
最初の見直しでは、返済額は当初の 約1.25倍 になり、ちょうど上限に張り付いています。このように見直しを重ねて返済額が利息に追いつくまで、未払利息は解消されません。この例では、その後の返済で未払利息は解消され、最終回にまとめて払う金額は発生していません。
ルールは「守ってくれる」が、総額は増える
5年ルールと125%ルールがない場合、返済額は金利が上がるたびにすぐ増えます。
| 時期 | そのときの金利 | 毎月の返済 | 前の返済額との差 |
|---|---|---|---|
| 借入当初 | 0.8% | ¥136,530 | — |
| 2027年4月 | 2.0% | ¥164,799 | +¥28,269 |
| 2028年4月 | 3.3% | ¥198,056 | +¥33,257 |
| 2029年4月 | 4.5% | ¥230,834 | +¥32,778 |
上と同じ条件で、5年ルール・125%ルールがない場合。
ルールがない場合は数年で毎月の返済が大きく増え、家計への負担は急です。一方、ルールがある場合は毎月の負担の増え方がゆるやかになる代わりに、元金がなかなか減らず、総返済額は 971.9万円 多くなります。
5年ルールと125%ルールは、急な負担増を防いでくれる仕組みです。ただし、払う総額を減らしてくれるわけではなく、むしろ増える場合があることは知っておく必要があります。
自分の条件で確かめるには
シミュレーターでは、結果の「未払い利息の最大額」と「最終回の一括返済」で未払利息の発生を確認できます。グラフでは未払利息の残高の推移も見られます。
試算結果は入力した条件にもとづく目安です。実際の返済額は、借入先の契約内容や端数処理などによって異なる場合があります。詳しくは免責事項をご覧ください。